世界的名機「ニコンF」について,解説の必要はないだろう。このボディは,File0014でとりあげたものである。半ジャンク状態で譲っていただいたボディなので,ちょっとした改造も気がねなくおこなえる。
二眼レフを使ったことはあるだろうか?はじめて二眼レフを使ったとき,ウェストレベルの態勢から撮影することも新鮮に感じられただろうが,撮影したコマが正方形な画面になっていることもまた,新鮮に感じたのではないだろうか。ただ,二眼レフは,ごく一部の機種を除いてレンズ交換はできない。35mm判一眼レフをスクエアフォーマット化することは,二眼レフでは体験できない超望遠レンズ,超広角レンズあるいはマクロ撮影などを,スクエアフォーマットで楽しめるという大きなメリットがある。ただ,トリミングしてプリントで正方形にすればよいという意見もあるとは思うが・・・・ (^-^;
今回の「改造」は単純である。シャッター部分に,24mm×24mmに開いたマスクをとりつけるだけである。したがって,撮影可能な枚数が増えるわけではない。マスクの材料としては,次の要素を満たすものを探した。
・薄いこと。
・平面であること。
・加工が容易であること。
・無用な反射などがないこと。
・入手が容易で安価なもの。
仕事中に「3.5インチフロッピーディスク」のシャッターが利用できるのではないか,ということに気がついた。
メーカーや製造時期によっては,この部分を薄いアルミ板で作っているようなものもある。手元にあったフロッピーディスクのうち,数年前に購入していたフジフィルム製のものが,適当な材質に思われたので,これを利用した。
この部品を適当な大きさに切り出して,フィルムをマスクするように,瞬間接着剤で貼りつけることにした。しかし,この部品は,フィルムガイドレールの高さよりも,微妙に厚いようである。このままでは,フィルムに傷がつく恐れがある。
そこで,フィルムガイドレールの高さよりも薄くなるように,紙やすりで削ることにした。材質が柔らかいので,このような加工も容易である。
削り終われば,開口部が左右中央で24mmになるように,貼りつければよい。
ファインダースクリーンにも,同様にマスクをとりつける。ニコンFは,ファインダースクリーンの取り外しが容易なので,この部分の工作も非常に楽である。
このボディには,上の画像のように,外光式フォトミックファインダーを組みあわせて使用している。ファインダースクリーンに手を加えても,露出には影響しないのである。
(公開日:2003年01月10日)