ペトリ35 F2.8

後ろから前からどうぞ

by ジャンク大帝

カメラについて

 ペトリ35は,栗林写真工業から発売された,35mm判レンズシャッターカメラである。このカメラの特徴としては,まず,レンズもシャッターも自社ブランド品を使っていることがあげられる。レンズシャッターカメラでは,コパルやセイコーのシャッターユニットを購入して使う例が多いが,ペトリ35 F2.8では自社ブランドの「ペトリカーペル」シャッターを使いっている。さらにレンズは明るさを抑えたF2.8のものを採用している。これらは,トータルのコストを圧縮し,低価格で発売することを目ざしたものと思われる。レンズも,「ペトリオリコール」という自社ブランド品だ。
 機構的には,ピントリングに連動した二重像合致式距離計を内蔵したファインダーをもち,シャッター速度はBおよび1〜1/500秒で,十分な内容になっている。ファインダーに緑色のフィルタがかけられており,外観の特徴にもなっている。この緑色のフィルタは「見やすさ」のためらしいが,その効果はよくわからない。

入手

 2010年7月に,マルシンカメラのジャンクコーナーから2000円で救出。

問題点

 レンズがまっ白に曇っていて,向こうが見えない。
 まっ白になっているのは後群レンズの裏側なので,レンズをはずす必要がある。

分解

 レンズシャッター式カメラの場合,正面からだとレンズを比較的容易にはずすことができる。また,このクラスのカメラの場合,トリプレットタイプ(3群3枚)かテッサータイプ(3群4枚)のレンズが搭載されており,前2群と後1群とのあいだにシャッターや絞りが配置されていることが多い。シャッターにBやTのポジションがあれば,前からはずしていっても,シャッターを開放して後群の裏側を掃除することは容易である。
 レンズは,ネジの切られたリングで固定されていることが多い。そのようなリングは,カニ目回しとよばれる道具を使ってはずしていく。しかし,後群レンズに達するまでに,はずさなければならないものが,どうしても多くなりそうだ。できるだけ,楽に分解したい。楽に分解すれば,元通りに組み立てるのも,楽なはずだ。

 ということで,裏蓋を開けてよく見れば,後群レンズも同じようなリングで固定されている。

 このリングをはずせば,レンズを簡単に取り出すことができた。

 レンズを取り出せれば,あとはしっかり掃除をすればよい。レンズの表面についていた大量の白いものはちょっと触れると簡単に飛んでいってしまったが,レンズの表面にはどうしても跡が残ってしまうようだ。
 前から分解すると,ちょっとした不注意で目立つ傷をつけてしまいかねない。後からの分解は,外観に傷をつける心配がないというメリットがある。もっとも,後からだろうと前からだろうと,不必要な傷をつけないように慎重に作業するべきである。

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