1971年に発売された,コンパクトな距離計連動カメラである。「じゃーにーコニカ」のシリーズの1つで,初代コニカC35に「フラッシュマチック」の機能が付加されている。
2002年に譲り受けた。
露出計不動であった。このカメラはプログラムAE専用で,マニュアル露出機能はない。また,フラッシュマチック機能のため,絞り値を自由に設定することもできない。まったく使えない状態になっていた。
露出計不動という症状から,まずは電池ボックスまわりを疑った。電池ボックスは底面にある。底面のネジ3つをはずし,裏蓋を開くと,底面をはずすことができる。
その結果,電池ボックスまわりには,腐食や断線は認められなかった。
次にメーター付近の断線や,メーターそのものの不調を疑った。軍艦部を開けるには,巻き戻しクランクの下にあるネジをはずし,巻き戻しクランクと巻き上げレバーをはずせばよい。
その結果,メーター周辺の断線や,メーターそのものの不良は認められなかった。
つぎに,受光子周辺の断線や,受光素子そのものの不良を疑った。これを確認するには,鏡胴を分解する必要がある。
まず,正面左右の貼り革をはがす。そしてあらわれたネジ4本をはずして,レンズボードごと取り出す。このとき,レンズボード(向かって)右下部分に腐食があり,それにともなって配線も腐食しているようすがうかがえた。いったん,ボディ内から鏡胴の受光素子へ至る導線を切断し,鏡胴を分解する。
鏡胴正面内側のリングをカニ目回しではずすと,受光素子のついた正面パネルが外れる。この付近の腐食が激しかったが,受光素子は動作しており,このあたりの配線だけをとりかえることにした。
もとどおりに組み立て,この機会に革を赤いスエードに貼り替えた。ただ,このスエードは少々厚すぎたかもしれない。