CR2型充電式電池

高価なリチウム電池をできるだけ安価に使いたい。

by ジャンク大帝

はじめに

 AE(自動露出),AF(自動焦点)や電動ワインダーの内蔵など,カメラの自動化がすすむにしたがって,カメラが使う電力は大きなものになっていった。そして,カメラの電源は小型のボタン電池から単3乾電池にかわり,そしてコンパクトながら大容量のリチウム電池がおもに使われるようになった。リチウム電池は高性能であるが,ボタン電池や単3乾電池のように100円ショップなどで安価に買えるようなものではない。また,3VのCR2,CR123Aや6VのCR-P2,2CR5など,おもなものだけでも多くの種類がある。いろいろなカメラを併用したい場合には,それぞれの種類の電池を常時,買い置きしておきたいものだ。だが,先にも書いたように,リチウム電池をまとめて買うとそれなりの金額になる。これらの電池を使うカメラを,できるだけ安価に運用する方法について考えてみた。

電池の種類

 カメラの電源として使われるおもなリチウム電池は,上記のように4種類ある。

 これらをそれぞれ,予備も含めて手元に置いておくには,それなりの金額が必要になる。また,よく使うカメラ用の電池は予備を十分に確保しておいても問題ないが,たまにしか使わないカメラ用の電池は予備を持っておくのももったいなく感じるし,かといって油断しているといざ使おうと思ったときに,放電してしまっていて使えないこともある。一時期は,CR123Aを使うカメラが多くあるように感じたこともあったが,そのうちカメラが小型化するにつれてより小さなCR2を使うカメラも増えてきた。
 円筒形のアルカリマンガン電池には,大きな単1型からごく小さな単5型までの種類がある。100円ショップなどで安価に売られている電池はおもに単3型や単4型のものであるが,非常時に使う懐中電灯では単1型や単2型を使うものが多い。単1型乾電池を必要とする懐中電灯を使う機会は多くないから,油断しているといざ使いたいときに電池がなくなっていることもある。そういう災害時などには,単1型電池が入手しにくくなることも起こりうる。比較的入手しやすく常備していることが多い単3型乾電池を,単1型や単2型の乾電池として利用するためのアダプタも売られるようになった。そのほか,単4型乾電池を単3型乾電池として利用するためのアダプタも市販されている。

 また,現行の酸化銀電池を,製造が終了した水銀電池のかわりに使うことができるようなアダプタも市販されている。

 だが,リチウム電池用の同様なアダプタは,市販されていないようである。

電池の共用

 CR123AとCR2とをくらべてみると,CR2のほうがずいぶんと短いが,太さについてはごく細いくらいで大差ないように見える。実際に,規格としてはつぎのようになっている。

名称直径高さ
CR123A17.0mm34.5mm
CR215.6mm27.0mm

 これくらいの差であれば,アダプタの作成は難しいものではない。厚紙でも簡単に実現できる。

 円筒部分は,単に厚紙を筒状にしただけのものである。底上げの部分は,針金を心棒にして,それを中心に細長く切った厚紙を巻きつけていったものである。心棒にした針金は,両端を曲げることで,電池の接点になる。これで,CR2型電池をCR123A用の機器で使うことができるようになる。

充電式電池の活用

 電池の消耗が激しい機器を使うときは,充電式電池を使うのが好都合である。ディジタルカメラや携帯電話機などは,充電式電池を使うのが前提になっている。単3型乾電池については,以前はNi-Cd(ニッケルカドミウム電池,ニッカド電池)がよく使われていたが,最近はNi-MH(ニッケル水素電池)がよく使われている。ディジタルカメラなどの専用電池としては,リチウムイオン充電式電池もよく使われている。
 CR123A型やCR2型のリチウムイオン充電式電池は,日本国内の一般的なカメラ店や電気店では扱いがないようだが,Amazonなどで輸入品を購入することができる。なじみのないメーカーの製品だと,一抹の不安を感じるかもしれないが,このたび購入した製品についてはとくに問題はないようである。

 このCR2型充電式電池とさきほどのアダプタがあれば,CR2やCR123Aを必要とする機器を使うときに,電池代の心配が小さくなるというものだ。さらに,CR-P2電池の殻を利用してアダプタをつくれば,CR-P2用の機器でもこの充電式電池を使えるようになる。

 なお,電池の分解には危険をともなう可能性があるので,注意が必要である。このような改造は,あくまで自己責任でおこなうこと。

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