セミレオタックス

蛇腹の自作に挑戦

by ジャンク大帝

カメラについて

 昭和光学精機という会社から発売された,セミ判スプリングカメラである。詳細な形式は未確認であるが,ファインダーにパララクス補正機能があることから,1949年の雑誌の広告に掲載されているニュートン式ファインダーのセミレオタックスよりは後年のものであろうと考えられる。また,1953年の広告には,距離計を内蔵したR型というものだけが掲載されている。これらのことから,1950年から1952年ころにかけての製品だと想像する。

入手

 2009年7月に,マルシンカメラのジャンクコーナーから救出。

症状

 蛇腹が大きく破れている。

蛇腹の採寸

 まず,カメラを分解して蛇腹を取りだす。

 レンズを止めているリングをゆるめ,蛇腹を抑えている金具をはずす。次に,蛇腹の根元をはずして,蛇腹を取りだす。

 蛇腹の両端の寸法を測ったところ,
  レンズ側:35mm×35mm
  ボディ側:50mm×64mm
であることがわかった。

蛇腹の製作

 採寸した結果にあうように,蛇腹の展開図を作成する。

 展開図に沿って,紙を折る。紙を折ったら,蛇腹の内側になる面に製本テープを貼り,ふたたび折る。折り癖をつけたら,黒いアクリル絵の具を塗り重ねる。とくに,角にあたる部分を塗り残さないようにする。
 アクリル絵の具が乾いたら,ふたたび折り癖をつける。折り癖をつけたら,こんどは蛇腹の外側になる面にも製本テープを貼り,ふたたび折って組み立てる。

>蛇腹の>取りつけ

 もとの蛇腹をきれいに取り去って,あたらしくつくった蛇腹を取りつける。
 このとき同時に,シャッターまわりの注油やレンズの清掃などもあわせておこなった。

 ボディと蛇腹とは,接着剤で固定する。
 レンズボードと蛇腹とは,金属のプレートをはさむことで連結されている。
 このプレートは,リングでレンズとともに固定される。

 これで完成だ。

←前へ リスト 次へ→