1955年に発売された廉価版二眼レフカメラ。ビューレンズとテイクレンズの外周がギアになっていることで連動し,ファインダーを見ながらピント調整ができる(前玉回転式)ようになっている。いわゆる二眼レフカメラブーム末期の製品であり,前玉回転式,範囲の狭いシャッターユニットを採用した廉価版カメラとして,1つの完成された内容とスタイルをもつ。
2007年8月に,友人よりいただいた。
ビューレンズが根元からゆるんでいる。また,シャッター羽根に油がついており,動作しない。
ビューレンズがゆるんでいるのを締めるには,ファインダーおよびピントグラスを取りはずす必要がある。その結果,ビューレンズは単にゆるんでいるだけでなく,そのヘリコイドが完全に固着していることが判明。
そこで,ビューレンズを取りはずし,ヘリコイドの固着を解消することをめざす。有機溶剤をたらしながら力を加えていき,なんとかはずすことができた。あとは,ヘリコイドのネジを掃除し,シリコンオイルを塗ったところ,スムースに動くようになった。
次に,シャッター羽根の清掃が必要である。シャッター羽根を清掃するには,テイクレンズをはずし,シャッター羽根に綿棒等が届くようにする必要がある。テイクレンズをはずして,有機溶剤と綿棒を用い,シャッター羽根についた油状のものを除去していく。シャッター羽根についた油状のものが除去できたら,シャッターはスムースに動作するようになった。油状のものの影響を受けていたのはシャッター羽根だけで,内部のメカニズムにはトラブルは生じていないようだ。
テイクレンズを組みなおし,シャッターをBにする。このとき,裏蓋をあけてフィルム面にあたる位置にピントグラスを置いてテイクレンズを動かし,レンズの無限遠を合わせる。無限遠を合わせたら,パーマセルテープでその位置を固定する。
次に,周囲のギアをはずした状態で,ビューレンズをボディにしっかりと取りつける。ピントグラスとファインダーを組みなおしたら,ファインダーを見ながらビューレンズの無限遠を合わせる。
最後に,ビューレンズの周囲のギアを取りつけるが,これには距離目盛が刻まれているので,無限遠の位置を合わせて取りつける。これでネジを締めたら,リコーフレックスVIIsの復活である。
友人が,リコーフレックスVIIsのネームプレートを貸してくれた。
ネームプレートをイメージスキャナで読み取って,写真用紙にプリンタ出力する。ホームセンターで真鍮板を買ってきて,ネームプレートの大きさに切り,そこにプリンタ出力したものを貼りつけた。これを,同じようなネジで止めればよいのだが,適当なネジが見つからないので,とりあえず両面テープで貼っておくことにした。