1999年ころに発売された,廉価版望遠ズームレンズである。70mm〜300mmという焦点距離域をカバーし,一般的な望遠撮影には十分である。特徴として,焦点距離300mmのときに,1/2倍までのマクロ撮影が可能という点があげられる。
2007年9月に,カメラのキタムラあけぼの店のジャンクコーナーから救出。ここのジャンク品は1つ500円だが,まとめて5つ購入すると,1つあたり300円になる。
AFが動作しない。
鏡胴,レンズとも,中古品として普通の状態に見える。次に,先日ジャンク品として入手したEOS10に装着して動作をさせてみると,AFが正常に動作しないことがわかる。シャッターレリーズボタンを半押しすると,少し動いては止まり,また半押しすると,少し動いてはまた止まる。さらに,無限遠をこえて止まると,もう動かない。このことから,ギア等の汚れによって,動きが固くなっているだけだと判断する。
MFで使用してみたところ,ピントは無限遠にもあうため,光学系に重大なトラブルはないものと思われる。また,絞りも精度は不明だが,設定した絞り値に応じて変化している。
このレンズは,HSMタイプのものではない。したがって,モーター等の入る位置は,レンズの根元付近にあるだろうと考え,マウント部の4つのネジをはずす。ズームを長焦点側にして後玉を前の方に移動させれば,簡単に中身を見ることができるようになる。
綿棒に有機溶剤をつけ,ここに見えるモーターやギアの軸の清掃をおこなう。何度か清掃をおこなった結果,このモーターはスムーズに回るようになり,AFが使えるようになったのであった。300mm時のマクロモードにおける撮影距離は0.95m(1/2倍)であり,本格的なマクロ撮影が楽しめるレンズが300円で入手できたのは悪くない。これだから,ジャンク品あさりはやめられないのだ。