マミヤZE

ボディの凹みが回路を破壊

by ジャンク大帝

カメラについて

 ZEシリーズは,マミヤから発売された最後の35mm一眼レフカメラのシリーズである。ボディのつくりはチープだが,レンズマウント部に多数の電気接点をもつ先進的なしくみを誇る。マミヤZEは1981年に発売された,絞り優先AE専用のシリーズ最下位のモデルである。この特徴的なマウントは,「ミラクルマウント」と称された。

入手

 2000年8月に海外通販で購入。

問題点

 このカメラは,もともとAE不良というジャンク扱いであった。特殊なバッテリーケースが失われていたので,マミヤOPから取り寄せてバッテリー(LR44×4個)をセットしたところ,とくに問題なく動作をはじめた。しかし,やがてAEが不安定になってきた。露出アンダーか,露出オーバーしか示さなくなった,という症状である。
 ペンタ部を見てみると,そこには大きな凹みがあった……。

分解

 軍艦部カバーをはずすには,まず6つのネジをはずす必要がある。さらに,巻き戻しクランクと巻き上げレバーをはずす。AE切り替えダイヤルははずす必要がない。これは,ZE-2も共通のしくみである。
 ペンタプリズム部に収められている電子基板を見ると,凹みの裏にあたる部分の抵抗器が割れていることが判明した。手もとに同じ値の抵抗器がなかったので,とりあえず値の異なる抵抗器に交換してみたところ,露出値はずれているが,きちんと動作するようになった。あとは,同じ値の抵抗器に再交換すればOKだろう。
 ZEのチープなプラスチックボディは,外部の衝撃から内部の回路を守ることができないようである。

結果

 今回は,速報的に発表させていただいた。
 Pマウントアダプタを入手しているので,このZEボディは,抵抗器を本来の値のものに交換した後,M42マウントレンズをAEで味わう(絞りこみ測光になるが)ために使おうと思う。このページ上部のZEの画像は,メイヤーのOreston 50mm F1.8を装着した状態だ。

追記

 この部分の抵抗器は,24kΩである。カラーコードが5線式なので,ちょっと見なれないかもしれない。5線式は有効数字の桁数が多いということで,精度的に多少は優れているということだろうか。現在,ZEの露出計は回復し,戦列復帰している。

(公開日:2001年06月15日,改訂:2002年07月16日)

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