SONY マビカ MVC-C1

腐食した電池ボックスを再建する。

by ジャンク大帝

カメラについて

 ディジタルカメラが市場にあらわれる以前に発売されていた,電気信号で画像を記録するカメラである。動画を記録するビデオカメラと同じようなアナログの電気信号として記録したことから,「スチルビデオ」ともよばれたタイプのカメラである。このカメラは,はじめての一般向けの製品として発売された「スチルビデオ」カメラで,1988年に発売された。

症状

 電源が入らない。

調査

 電気で動く製品で「電源が入らない」という症状があらわれるのは,電気回路が完全に壊れている場合と,電源部に単純なトラブルが生じている場合とに,大きくわけられる。このカメラでは,バッテリーパックが激しく腐食しており,その影響で電池ボックスの接点も一部が失われていた。この部分さえ修復すれば,動作することが期待できる。

 専用バッテリーパックは,6Vのものである。電池ボックスの空間は,CR123A型電池がちょうど2本はいる大きさがある。そこで,この空間にあらたに接点を設けて,CR123A型電池2本の電池ボックスとして使えるようにすることにした。

 電池ボックス内には,+極,−極ともに,2本ずつの接点があった。MVC-C1本体にACアダプタを接続し,専用バッテリーパックをここにセットしておけば,専用バッテリーパックに充電することもできる。そのため接点が2本ずつあるのは,1つがバッテリーパックへ充電するためのもの,1つがバッテリーパックからカメラに電力を供給するものであると考えられる。専用バッテリーパックの端子はここを短絡するだけの大きさがあるので,この接点は短絡しても問題ないと考えられる。そこで,この接点は短絡し,CR123A型電池が入るようにした。

 CR123A型電池を受けるための接点は,糊つきスチレンボードに,接点用のバネを貼りつけたもので,じゅうぶんである。

 これで,SONY MVC-C1の電源がONになるようになった。CR123A型の充電式電池を使えば,今後,バッテリーを確保することの心配も不要である。

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