ポケットフジカ350ズーム

大きく見えるカビは,前玉にあり?

by ジャンク大帝

カメラについて

 1976年3月に発売された,110フィルム使用のカメラである。当時のカメラとしては,まだ,希少な存在であったといえるズームレンズを装着していた。ピント調整は目測式だが,ズーム操作に連動してファインダーの視野も変化するようになっている。シャッター速度は1/125秒の1速で,露出は絞り(お天気マークによる)で3段階に調整する。巻き上げは底面のノブでおこなう。フラッシュも内蔵されておらず,動作に電源は不要である。

入手

 2007年6月に,カメラのキタムラ天神店のジャンクワゴンから救出。(¥525)

問題点

 レンズに激しいカビがある。

概要

 ズームレンズは,内部に複雑な機構があり,一般的に分解は難しい。しかし,この種の簡便なカメラ用のズームレンズは比較的構成が単純である。また,カビの見える部分は広く,前玉だけにカビがあるものと判断できる。
 動作はすべて機械式であり,電源は必要ない。それらの動作はとくに異常が認められず,レンズのカビさえ除去すれば,撮影可能な状態になると思われる。

分解

 ピントリングに貼られたゴムや,距離目盛をはがすと,小さなネジが1つだけあった。

  ピントリングは,ネジこまれているだけである。このネジをゆるめ,ピントリングをいっぱいに回すと,ピントリングは簡単にはずれる。ピントリングをはずすと,大きな前玉がはずれて,カビを拭き取る作業は簡単におこなえるようになる。
 カビの拭き取りには,今回も,「フィルムケースに半分くらいの水」に「ハンドソープ1滴」を加えたものを使った。カビを拭き取ったあとは,レンズクリーナーで拭きなおし,もとどおりに組み立てて作業は終了である。

*1 http://www.fujifilm.co.jp/history/f1975.html

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