1981年発売のフルオートコンパクトカメラ。大口径40mm F1.9レンズを搭載し,SST方式という独特のAF機構を組みこんでいる。
ジャンクワゴンから500円で救出。
動作はするものの,スピードライトのチャージ途中で「ばきっ」という恐ろしい音がしてチャージが完了せず,これを繰り返すという症状があった。
電池もかなり発熱していたので,スピードライトのコンデンサが死んでいるに違いないと考え,交換してみることにした。
ネジは外から見える7本,フィルム室のパトローネ押さえと共締めになっている1本,グリップラバー下に1本が隠してある。これらを抜けば「モナカの皮」が前後に外れ,背蓋は残る。前側パネルはシャッターボタンが引っかかるので,押しながらはずす。レンズまわりは,なにもいじる必要はない。
内部はフレキだらけだが,コンデンサーははずしやすい位置にある。容量は「330V/160μF」のもの。
カバーをはずしたところ。シャッターボタンの下に見える灰色のものがコンデンサ。
コンデンサは,手もとにあったコダックの「白黒うしし」というレンズ付きフィルムから取り出したストロボ基板に使われているものと同じである。サイズ的には「白黒うしし」の方が小さいので物理的な問題もなく,これと交換することにした。
(左)「白黒うしし」のストロボ基板
(右)「白黒うしし」のコンデンサ(上)とAF35MLのコンデンサ(下)
コンデンサの実装箇所は,親の仇のように半田がてんこ盛りになっているので,まず吸い取り線で余分な半田を除去する。半田が少なくなったところで,コテをあてながら片足ずつゆっくり持ち上げてはずす。基板がかなり薄いので,力まかせにやると簡単に割れそうなので注意すること。一方,「白黒うしし」の方は,コンデンサのリード線をニッパで切るだけなので楽勝。
載せ換えを完了し,感電が怖いので前側パネルだけ取りつけておそるおそるチャージすると,無事ネオンランプが点灯 (^^)v 発光も問題なし。
(投稿者:アヒル1号,公開日:1999年10月29日)