「キエフ」というからには旧ソ連のカメラだけど,どこかで見たことのあるカメラである。そう,いうまでもなく,MINOX35シリーズのそっくりさん。こういうものまで模倣していたとは,恐るべし!製造は1985年から1991年ころらしい。
右の画像で,上が「ミノックス35EL」,下が「キエフ35A」だ。
シャッターがまったく動作しない。また,露出計も動かない。
はじめから直すことは放棄していたのだが,とりあえず分解してみた。まず,メーターはコイルが断線しており,ほぼ絶望。
シャッター周辺を調べてみると,ハンダづけがはずれているところが多数あり,さすがソ連製と一人納得する。断線個所をすべてハンダづけしていろいろ調べてみたが,シャッターユニット自体は動作することがわかった。しかし,巻き上げに伴ってシャッターをチャージするレバーを動かす部品が失われていることが判明。
その後,本物「MINOX 35EL」を入手し,実際にはどういう部品があったのかを確認することができた。
巻き上げると,1の上の板が降りてきて1の棒が押される。
1に押されて,2のレバーが上に動き,シャッターを開く部品が定位置にセットされる。
3の部分で,シャッターを閉じる部品が同時に定位置にセットされる。
シャッターレリーズボタンを押すと,レンズの上と下にある電磁石に電流が流れ,シャッターを一定時間開いて閉じる。
シャッターはなんとか動作するようになった。しかし,メーターが動作しないままなので,実用レベルまで復活したとは言い難い。
電源は5.6V水銀電池を必要とするが,LR44を4個入れても動くことは動くようだ。ただし,それが原因で本体が故障しても責任は持てない。
個人的には,真っ黒な「MINOX 35EL」よりも,こっちの方がカッコイイと感じている。
なお,その後,完全に動かなくなってしまった(^_^;
(公開日:1999年07月18日)