マミヤ35S2 F1.9

どこから来たのか謎のガラス片

by ジャンク大帝

カメラについて

 1959年に発売された,レンズシャッター式カメラである。セルフコッキング,距離計連動ファインダーをもち,F1.9の大口径レンズを搭載した,レンズシャッターカメラとしては典型的なカメラであるといえる。実際に撮影してみると,あっさりとした繊細な描写が得られるという印象があった。コンパクトで実用性の高いカメラであるといえるだろう。

入手

 2005年12月に,新大阪駅の八百富写真機店にて購入。

問題点

 使用中に,突如,巻き上げができなくなった。

分解

 この種のカメラは,巻き上げ機構,シャッターレリーズ機構,距離計など,さまざまな機構が,機械的に連動するようになっている。その連動機構にはつねにトラブルが発生する可能性があり,トラブルが実際に発生すると,動作において重大な支障となる。また,レンズ鏡胴付近でのトラブルであれば,奥深くまで分解をする必要があり,難易度が増すだろう。
 今回は,とりあえず,分解しやすいところだけを開けて,トラブルの発生した場所を推定することを試みることにした。トップカバーをはずしたところ,小さなガラス片が,巻き上げ機構にかみついていたのが見つかった。これが巻き上げができなくなった原因であった。これを取り去ることで,ふたたびカメラは正常に使えるようになったのである。

 問題は,そのガラス片がどこから来たのかが,どうしてもわからなかったことである。ファインダーや距離計などに,部品が欠落したようすが,どうしても見えなかったのであった。

 さらに,使用を続けていくうちに,ピントリングが最短撮影距離付近にあるときには,シャッターが切れないことに気がついた。このカメラは,ピントリングの回転によって,シャッターユニットを含むレンズ全体が前後に移動してピントを合わせる,全群繰り出し式になっている。最短撮影距離のときは,本体からシャッターユニットまでの距離がもっとも遠くなっている。つまり,シャッターレリーズボタンからの動きが,届いていない状態が考えられる。
 そこで,ふたたびトップカバーをはずし,シャッターレリーズボタンにつながるネジを回して,その長さを調整した。ピントリングがどの位置にあっても,すなおにシャッターが切れるような位置を見つけて,元通りに組み立てたのであった。

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