1930年代に売られていた,小型スプリングカメラ。カメラを使用しないときには,非常にコンパクトになる。「カラートカセット」と称する,専用のカセットに入ったフィルムを使うようになっており,現在の35mmフィルムのパトローネは入らない。しかし,レンズには定評ある「ゾリナー」がついているので,なんとか使ってみたいと考えた。
残念ながら,「カラートカセット」の実物を見たことがなく,中にどんなフィルムが入っているのかも,わからない。ただ,フィルムカウンタのもっとも大きな数値は12なので,フィルムの仕様は12枚撮りだったようだ。
カメラの中を見ると,このように巻き取り軸も,巻き戻し軸もない。スプロケットの歯だけで,フィルムを送っているようだ。また,裏蓋に赤窓がないので,裏紙つきのフィルムでもないことがわかる。
スプロケットの歯は,現在の35mm判カメラと同じようにみえる。試しに,35mmフィルムを当ててみると,サイズはほぼ同じである(ぴったり同じなのかもしれない)。
そこで,パトローネからフィルムを抜き出し,このようにフィルムを直接装填してみた。こうすることで,なんとかこのカメラが使用できるようになる。ただし,この方法でうまくフィルムが送られるのは,6〜7コマくらいまでのようだ。また,この方法では,フィルムの装填や取り出しは,暗室中でおこなわねばならない(またはチェンジバッグを使用する)。