超広角レンズのもたらす強烈なパースペクティブ(遠近感)は,非日常的な光景となる。過去には,焦点距離28mmくらいのレンズでも超広角レンズとよばれていた時代もあるが,現在ではおおむね20mmよりも短いものが超広角レンズとよばれるようだ(焦点距離は,ライカ判用レンズの場合)。超広角レンズは特殊なレンズになるので,使いこなすのを難しく感じる人も少なくない。単焦点レンズのほうが性能がよいのは間違いないが,超広角域から通常の広角域までカバーするようなズームレンズのほうが,使い道も広いというものだ。
このレンズは最短焦点距離18mmの超広角ズームレンズであるが,小型軽量にまとめられており,価格的にも抑えられた製品である。小型軽量のカメラと組みあわせれば,軽快なスナップ写真や写真散歩を楽しめる。
2013年9月に,「カメラのキタムラ」高取店にて,1000円で救出。
オートフォーカスは動作するが,絞りが開放のままで動作しない。
しばらく開放専用レンズとして遊んでいたが,気がつくとこんどは,少し(1段程度?)絞りこまれた状態で動かなくなっていた。
このことから,絞り羽根が固まっているのではなく,絞り羽根を動かす機構が壊れていると考えられる。
分解に難しいところは,ない。マウント側からネジをはずしていく。
絞りを動かす機構につながる,このギアが割れている。空回りする状態になっているので,絞りを制御するモーターの動きが伝わらなくなっている。
同じサイズのギアと交換するのが望ましいところだが,ちょうどよいギアが見つかるとはかぎらない。
動きを観察してみると,開放絞りから最小絞りまで絞りを動かすために,このギアが動くのは1周未満である。つまり,割れている部分が隣のギアとかみ合わないようにしておけば,なんとか動いてくれそうである。そこで,適当な糊で摩擦を与えるようにした。隣のギアとかみ合わないようにしておけば,これでもなんとか絞りが開閉してくれる。完全な復活ではないが,自分で気をつけながら使うならば,この程度でもじゅうぶんだ。