1969年に発売された,キヤノネットのニューモデル。QL機構を採用し,フィルム装填が容易になった。大口径F1.7レンズ,パララクス自動補正のファインダーなどが魅力。シャッター速度優先のEE機構を採用し,ファインダー内の露出計指針は絞り値を表示するので,わかりやすい。
1998年12月にジャンクワゴンのなかから800円(消費税別)でYAN氏が救出したものを譲り受ける。
シャッターが固まっており,モルトプレンがべたべたになって,あちこちに付着していた。
シャッターが固まっていたのは,セルフタイマーが固まっていたせいである。セルフタイマーを強引に動かすことで,シャッターは復活。このカメラでEE機構を働かせるには水銀電池を必要とするが,電池ボックスにはLR44をそのまま入れて代用することが可能である。
べたついたモルトプレンは,丁寧にそぎ落とすしかないのだが,そのままでは光線モレを起こすので,撮影の支障になる。そこで,モルトプレンをふたたび貼ってやる必要がある。モルトプレンのもっともお手軽な代用品としては,黒いフェルトがある。とくに書道用の下敷きなら,100〜200円程度で,100円ショップや文房具を置いている店などで必ず入手できるだろう。
モルトプレンをそぎ落とした跡は,ベタベタしている。その粘り気を利用して,ちょうどよい大きさに切ったフェルトを貼りつければよい。ただし,そこからはみだした部分のベタベタは,アルコールなどを用いて,きれいに拭き取っておくこと。フェルトはやや厚いので,最初は裏蓋が閉まりにくいが,そこを強引に閉めて1週間もすれば,ほどよくなじんでいることだろう。
(公開日:1999年05月12日)