キエフ4M

露出計はよみがえる?

by ジャンク大帝

カメラについて

 ライカと双璧をなすドイツ製超高級カメラ,「(戦前型)Contax」をコピーしたカメラであると言われる。第二次世界大戦後,ドイツに進駐したソ連軍が,Contaxの製造設備一式をソ連のキエフという都市に持ち帰って製造したので,コピーというよりもそのものと言った方がいいかも知れない。
 ソ連で生産されるようになってからは,年々,品質が低下していったと言われているが,それでもなお,高級感は残っている。
 ここに紹介する「4M」型は,1977年から製造されたモデルである。レンジファインダー・キエフは,1985年に生産が終了するまで,1936年に作られた戦前型Contaxから,ほとんど変化することなく製造が続けられた。

入手

 1998年10月に\19,800で購入(消費税込み)。

状態

 このカメラは,正確にはジャンク扱いではない。しかし,シンクロ接点が故障し,露出計が狂っていることを承知で購入したものである。これらのために,シャッターや距離計がわりにしっかりしているものの,比較的安価に売られていたものである。
 このたび,露出計が復活したので,そのことをレポートする。

分解

 露出計まわりを分解して,いろいろ調べたところ,セレン光電池は生きていることがわかった。したがって,問題点は,調整ツマミの可変抵抗にあると考え,分解を行った。まず,裏蓋をはずし,巻き戻し軸の中央のネジをはずして(左),巻き戻しクランクを取りはずす(右)。

再生への工夫

 ダイアルをはずすと(左),内部が可変抵抗器になっていることがわかる。ここに塗布されている炭素?皮膜や,ダイアル内側の接点(右)が非常に汚れていたため,ここをクリーニングすることにした。
 アルコールで汚れを流し,接点復活剤をつけた綿棒で,これら皮膜表面や接点を磨くことを繰り返した。

復活

 この作業を何度か繰り返した結果,露出計はきちんと動作するようになった。
 露出計付きのレンジファインダーカメラは,スナップ撮影に適している。今や,お気に入りの1台だ。

(公開日:1998年12月25日)

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