チノン・スプラッシュAF

ついに見つけた「防水」カメラだったが……

投稿者:KEN様

カメラについて

 1988年に発売されたカメラである。「チノン」というブランド名も消滅してしまった今となっては,非常に貴重な存在である。
 以下の手記は,1998年にKEN氏から投稿されたものである。

チノン・スプラッシュGETストーリー

 事の始まりはジャンク大帝が私に「水中カメラで滝壷の写真を撮ろう」と言ったことだった。人づきあいの良い私は,水中カメラを探していくつかのカメラショップを訪れたが,水中カメラは普通のカメラと違い付加価値が高いので,中古でも無茶高く,1万円以上もする。一眼レフの標準ズームを中古の8,800円で買うような貧乏な私には当然買えない。

 そんなある日,キタムラ某店のジャンクワゴンを見ると水中カメラの様な物があった。裏蓋には全周Oリングが入っているし,レンズもOリングとガラスで保護されている。裏蓋をロックするレバーもものすごくゴツイ。これはp(^o^)q!!

 電池が入ってなくてカメラが作動しなかったので,電池入りのカメラを探し出し移植。そうしたら動くじゃないか。ストロボも発光するし,AFも動いている。シャッター速度も絞りも明るさによって変化している。やったV(^o^)V!!で,お買い上げとなった。請求金額は800円+消費税。貧乏な私は,それをキタムラのポイントカードで支払った。840円すら満足に現金で払えない貧乏な私なのである(笑)。

 帰ってから,先ず防水性能を確かめようと思い,バケツに水を張って,カメラを沈めた。水中で作動させたら,ちゃんと動く。ストロボも2〜3回発光させたけど,問題なし。念願の水中カメラを入手したと確信した私は,カメラをバケツから取り出して,丁寧に水を拭き取って,裏蓋を開けた。すると....なんと!水が入っていた(大爆笑)。電気回路も水に濡れたためか,ストロボも暫くしたら発光しなくなった。

 このカメラ,確かに何処にもWater Proofとは書いていない。All Weather Proofと書いてあるので,いわゆる生活防水構造だったようだ。それを無謀にも水没させてしまったのだ(^^;。この顛末をジャンク大帝に報告したら,笑われた(?)。でもこのカメラ,分解して手の届く所は水滴を拭き取り,そのままオートドライに一晩寝かせて乾かしたら,元どおりちゃんと動くようになった。その時に「ジャンクカメラは雑草のように逞しい!」とつくづく感心した。泣け無しの財産をはたいて買ったEOS55ではこうはいかないだろう。

 このカメラの名前は,チノン・スプラッシュAF。もちろんジャンク大帝はこのカメラの素性を御存知で,水没事件の顛末を報告した日にこのカメラのデータを送ってくれた。そこにはやはり日常生活防水と書かれていた。現役時代の定価は35,800円だったそうだ。この完動美品の中古を私はわずか800円,98%OFFで手に入れたことになる。ジャンクは実に気分が爽快である。

 この一部始終を隣で見ていた我が女房は,今まで以上に私に惚れ直した事は言うまでもない。私を見つめる目はうつろで,口もきけなかったから。

by KEN